解答:
問1-1 ② 1-2 supply
問2 欧米やアジアの先進国とサブサハラアフリカやアジアの発展途上国のフードロスは、主に起きる段階で異なっている。先進諸国では、消費段階での割合が大きく、販売手法や企業の利益最大化、消費者意識に起因し、発展途上国では、収穫、管理、加工、配送段階での割合が大きく、施設不良や技術不足に起因するという違いがある。(150字)
問3 1:① 2:② 3:① 4:② 5:① 6:②
全訳:
①ご飯を残すのはやめなさい。さもないともったいないおばけがでるよ。これは、1982年に、ACジャパンによって作られたTVCMのスローガンである。
(注:正確には、ご飯を残した子どもたちの前に野菜のお化けが現れ、怖がらせた後、住職が「それは……もったいないお化けというものじゃ~」と言うCM。スローガンとしては、「たべものを大切に」)
フードロスは、世界規模での社会的問題となっていて、日本もその例外ではない。実際、日本政府による現行の食品ロス削減国民運動のキャッチフレーズは、「食べものに、もったいないを、もういちど。」である。(注:農林水産省HPより) 日本人は、もったいない精神を取り戻せるのだろうか。
②疑いようもなく、誰もがフードロス問題に関心を抱かねばならないが、企業もまた、CSRの名のもとに、力を合わせることを求められている。フードロスは、食品会社が利益を最大化しようとした結果でもあるためであり、そのことは、先進国程食べ物が廃棄されるという現実から分かる。
③食べ物は、実際、様々な段階において廃棄されている(グラフ1参照)。穀物は、生産段階において、まず廃棄が出る。幾らかは、虫害や自然災害によって耕作中に被害を受ける。次の段階は、収穫後の取り扱いである。この段階では、不適切な倉庫等の不良施設がフードロスを招き得る。三番目の段階は、加工、処理である。この失敗も多くの食品廃棄へと繋がる。そして、その次が、供給(配送)段階である。多くの食料が保管中に、もしくは店に運ばれる間に駄目になる。最後の段階は、消費である。この段階では、消費者が大量の食品を捨ててしまう。が、店側の売り方はまた別の問題である。製造から消費までのこの過程はフード〇〇チェーンと呼ばれていて(注:問2参照)、私たちは、その全てを考えなければならない。
グラフ1:地域毎に見た、穀物の段階別初期生産分量廃棄割合(国際連合食糧農業機関による)
④企業こそが、フードロスの各段階において主要な原因となっている。日本政府は、この問題を解決するために、企業に要請している。1つの現実的な解決策は、各段階において、廃棄された食品のリサイクルを行うことである。グラフ2は、政府の目標リサイクル率と、食品産業のリサイクル率の近年の傾向を示している。食品小売業者を詳しく見てみると、非常に低いリサイクル率である(2015年47%)。商習慣を見直し、食品廃棄を減らし、還元し、保管方法を向上させることで、リサイクル率をあげることを求められている。例を挙げると、2019年1月11日、農林水産大臣は節分に売られる恵方巻の廃棄を減らすよう、異例の要求を行ったが、状況はあまり改善してはいない。私たちは、食品廃棄問題についてあまりに当事者意識が無いのである。私たち日本人がもったいない精神を取り戻せるかどうかは、今はまだ、分からないことである。
グラフ2:食品産業におけるリサイクル率の傾向
解説:
問1-1 :解答:②
1:協力的問題解決調査
2:企業の社会責任
3:コスト削減率
4:クリエイティブな戦略関係
5:顧客販売関係
そもそもCSRという言葉は近年の企業において必須のものとなっている。企業は利益を最大化する存在でもあるが、それ以上に、社会的責任を負っているという考え方である。英文に着目すると、”companies are also expected to join forces in terms of CSR,”。”join forces”の訳し方がやや難しく感じるかもしれない。「力」、「集団」と考えて、訳してくれても構わない。3.4.5は企業の利益の話なので、1,2を考え、”in terms of”は「~の名の下で」「名目で」から、2を選べると良い。companies are also expected to join in cooperative solution researchもしくは、companies are also expected to join forces in terms of cooperative solutionなら1でも正しく意味は伝わる。長々と書いたが、実際のところは知識問題。
問1-2: 解答:supply
food supply chainは日本でもフードサプライチェーンとして使われている用語である。もし分からない場合は、consumeあたりからdemandを思い出して、需要供給の関係を思い出せれば行けるかもしれない。実際のところは知識問題。
経営学部だからか、政治経済に寄った知識問題を2題サンプルで出してきた。
問2
比較対象の問題なので、先進国は~~、発展途上国は~~と分かりやすく書く。聞かれているのが、「食品ロスの発生原因の違い」なので、そこも崩さないように。
問3
①1:小売業者が、利益を上げるために正月や節分のような時期に季節商品を売って競いたがるから。
②2:恵方巻の材料がとても贅沢になり、結果として高価になるから。
③1:消費者が、賞味期限の近い生鮮食品を買わない傾向があるから。
④2:もったいない精神は、長く日本の重要な文化として根付いていたが、日に日に無くなっているから。
⑤1:小売業者は、消費者が買い物をする際に買いたいものを買えるよう、出来るだけ多くの商品をストックする必要があるから。
⑥2:小売業者は質の良い施設がないため、生の食品を長い間保持できないから。
大きく分けて、販売者側の問題と消費者側の問題があり、①、③、⑤はそれに当てはまる。②は販売価格の問題ではない。④はあり得るが、時制を考えると2の方が無難。テキスト内に「取り戻せるかどうか」と明記されている以上、既に失われてしまったものと考えるべき。⑥は発展途上国側の問題。
注意事項:細心の注意を払って作成していますが、「模範解答」ではありません。あくまで個人の主観によるために、誤答の可能性があります。参考にする際には、解説の論理を信じられるかどうかでお決めください。このページ内の文章は合同会社ET1 Night Owl並びに武蔵小金井雨鶏塾に属し、無断転載は禁じます。
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