大問1:
解答:
問1: a (解説参照) 問2: c 問3: b 問4: c 問5: b
全訳:
奴隷貿易によって引き起こされた長期の問題に、どう対処すべきだろうか。奴隷史の教授として、私はその解決を目標としている。ブリストル大学の奴隷史の教授としての新しい役割が示されたとき、人々の反応は、「ついにこの時が」だった。私の役割は、(その役割の中で大学と奴隷制の結びつきを調査するつもりだが)様々な現存する学識をまとめ上げることで、そしてそれがまた何十年も行われてきた議論の一部となっている。
ブリストルの奴隷制との関係に対する学術的調査は、約40年前に始まった。大学の内外で、人類史における隷属に当局の目を向けさせることに関して、生徒と活動家が大きな役割を果たしてきた。
奴隷制の議論は、植民地主義や過去の遺物に関わる、より広く重要な議論とつながりがある。奴隷制と植民地主義は活気ある、文化的に多様な社会をもたらしたとはよく聞く話である。実際に多様性が一つの結果として現れたが、おそらくそれは、簒奪者や奴隷商人が、大西洋、インド洋を航海するために船に投資した際に望んだことではない。しかしながら、私たちの祝福された文化的に多様な社会は、人種差別や、社会的不公平、不均等と深く関わっているのである。
今重要な問いは、社会、都市、当局が奴隷制の影響―そのようなトラウマや分断をもたらしてきた歴史、にどう対処すべきかということだ。これらの問題は、ブリストルの過去に対するより広範な反応の一部であり、私のみるところ、その答えは、賠償や修復的司法についての論に関している。
ブリストルでの私の計画は、大学への寄付者を調べるところから始める。奴隷貿易の廃止(1807年)、奴隷制の廃止(1833)のはるか後である、1909年にブリストル大学は設立された。ユニバーシティ・カレッジ(注:イギリスにあった庶民のための高等教育機関)としては1876年に設立され、最初期から、John Percivalと呼ばれる、教育者の助けを得ていた。彼は自らの交友関係の中で、経済的支援を求めた。
Lewis Fryは著名な反奴隷制の一家の経営者だが、1906年に参加した。2年後、北アメリカの奴隷によって作られたタバコを含む様々な貿易投機で財を成したWills家による寄付が行われた。すぐ後に、貿易商人協会の学校が、新設の工学部に資金提供することに同意した。
貿易商人協会は、そのメンバーが、いわゆるアフリカ貿易を極度に行う組合だった。その貿易は奴隷航海に資金を投じ、アフリカの捕虜を売買し、プランテーションに投資をする等していた。
様々な寄付を通じて手を差し伸べた多くの企業や個人があると私は考える。その者たちがいったい誰で、いくら寄付したのかを解明したい。もし可能ならば、私はその資金がどこへ行き、他のどのような投資が成されたのかを知りたい。
解説:
問1
a: むしろ遅いという者もいた。(むしろ反応の遅い者もいた。)
b: 奴隷制についての議論が始まった。
c: 大学がついに奴隷制について調査を始めた。
d: 著者は研究を行う時間が沢山あった。
意味的には”a”が正解だが、一般的に訳すと()内になってしまい、全く答えが異なってくる。そうすると、”c”が一番解答に近そうだが、「奴隷制の調査」を始めたのではないため、誤答と言えば誤答。”slavery”に広い意味を込めているのかもしれない。その場合は”c”。”a”の選択肢が Some people’s reactions were “rather late”. だったら”a”と言い切りたいところだが、問題全体のレベル感を考えて渋々”a”にした。”b”は奴隷制の議論は数十年続いてきたという記述がある。”d”が答えになるとすれば、”some people”の言葉が筆者にかかることになるが、そこは問題の本質ではない。
問2
a: 人種差別と偏見を何とか追い払ってきた。
b: 彼女が受け入れていない幻想である。
c: 負の経験と結びついている。
d: 奴隷商人によって慎重に成された。
多様性を持つ社会の裏に奴隷貿易があることは否定できないと記述あり。
問3
北アメリカの綿花農園、タバコ農園で奴隷が働かされていたという世界史上の知識問題。
問4
a: 奴隷商人とビジネスを行っていた。
b: ブリストル大学に寄付をした。
c: 奴隷制解体に尽力した。
d: 農園に資金を投じた。
奴隷貿易で財を成していると記述あり。
問5
a: ブリストル大学の歴史
b: ブリストル大学と奴隷制の結びつき
c: 奴隷制によってもたらされたトラウマ
d: 貿易と奴隷制の結びつき
「ブリストル大学」、「奴隷制」をどちらも扱えているbが最適。
長くなったので大問2以降は別ページで
注意事項:細心の注意を払って作成していますが、「模範解答」ではありません。あくまで個人の主観によるために、誤答の可能性があります。参考にする際には、解説の論理を信じられるかどうかでお決めください。このページ内の文章は合同会社ET1 Night Owl並びに武蔵小金井雨鶏塾に属し、無断転載は禁じます。
武蔵小金井雨鶏塾